プールに浮かぶ

赤い点点が

花に見えたのは

夏の熱のせいか

 

涙目で退場する

少女の人生の点点が

こんなところじゃなきゃいいのに

伸びすぎた葉陰の下で思う

 

青春は

あっというまに

結晶になる

誰にも言語化できない

 

遠回りして辿り着いたように見えたのは自分勝手な回収作業の3巡目くらいで、トラクターに載せた手作りのおもちゃ、きみが描いた絵、手触りの悪くなったブランケット、そんなものぜんぶが真夏の陽光の下で要らないものに思えて、それでも涙目だった少女のように、からだひとつでやっていけるほど、僕は、僕を作り上げてきたものたちは美しくないと、思い知れば知るほど、僕は僕が生身の人間だとも、思い知るのでした、

 

彼女は水着から伸びる細い腕で自由自在に黒くて重いハンドルを回し、流れる水みたいなかたちの脚腰でアクセルとブレーキを器用に踏み変えて、要らないものばかりを積んだトラクターの助手席に僕を追いやって、くだらない街の小さなコンビニエンスストアに突っ込んで、記憶ごと炎上、させてくれることでしょう。

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